業務内容 - 医療事故による損害賠償事件

受任の範囲

 どのような医療過誤事件でも対応できます。

主だった経験例

 私が経験した医療過誤事件は、以下のとおり、いずれも、誰が見ても医療過誤だとするものではなく、正当な医療行為と過誤との境界線にあるものでした。

ア 注腸検査による死亡例

A. 老齢の方の検査入院において、バリウムを大腸に注入するレントゲン検査(注腸検査)に際し、穿孔が生じ(腸壁に孔があくこと)、バリウムが腸から漏れたことによって死亡した事案。

 裁判では、他疾患或いは当該患者の体質による穿孔か医師の過失による穿孔かが争われました。

 判決は、医師の過失行為、過失行為と死亡との間の相当因果関係を認めました。

B. 同じく老齢の方の検査入院において、注腸検査に際し、穿孔が生じた事案。

 上記アと同じ争点があるともに、検査入院時の腹水検査で、癌の5期であることが判明していたため、穿孔と死亡との因果関係の認定が困難でした。

 医師の過失行為を認定し、謝罪と500万円の解決金の支払を内容とする勝訴的和解で事件は終結しました。

イ 気管の管を抜管したことによる死亡例

 小脳出血の後遺症で、寝たきりで、声かけにも頷く程度の反応しかできなかった患者の呼吸管理のために、気管切開をして挿管していたところ、担当医師が、挿管の原因となった疾患の十分な回復を待たず、又、家族の承諾も得ずに、抜管したため、数日後、一時呼吸不全に陥り、約半年後に死亡した事案。

 判決は、担当医師の抜管行為に過失を認定し、その過失行為と半年後の死亡との因果関係を認めました。

ウ 末期肝硬変患者に生体肝移植の治療法を説明しなかった事例

 末期肝硬変患者(後に死亡)の主治医として担当していた医師が、その治療期間中、当該患者に生体肝移植の治療法の説明をしなかった過失が問題となった事例。

 病院側は、生体肝移植は当時の医療水準に達していないと過失の存在を争いました。

 判決は、治療法を説明しなかった過失を認めた上、過失行為と当該患者の死亡日における死亡との相当因果関係こそ認めませんでしたが、説明義務を尽くしておれば、死亡日における死亡を回避できた相当程度の可能性があるとして、480万円の損害賠償義務を認めました。

 この事案は、判例時報211697頁に、「類似先例の見あたらない新しいケースの裁判事例」として掲載されています。